「俺は、何百年も生きてきた“人工精霊”だから、自分は人間みたいにできないと思ってたけど…」
人間、らしい?とナツィは口元を手で覆う。
かすみは、うんと頷くが、ナツィはそんな、そんなと身を震わせた。
「きみは…ナツィは、人間らしいよ」
かすみが笑顔でそう言うと、ナツィはパッと後ろを向いた。
「?」
かすみはどうしたのだろうと思いナツィの顔を覗き込むと、なぜかナツィの顔が赤くなっていた。
「どうしたの?」
かすみに聞かれてナツィはハッと我に返る。
べ、べべべべ別にっ!とナツィはさらにそっぽを向くが、かすみはふふふっと微笑んだ。
「お、俺は、言われて嬉しいこと言われたからって照れてる訳じゃないから!」
だからなんでも…とナツィはそっぽを向く。
そんなナツィの様子を見て、かすみはふふふと笑みを浮かべた。
「やっぱり、きみは人間らしいね」
「〜っ‼︎」
ナツィは声にならない声を上げた。