「はっ!!」
ブケファルスは町中で突然大声をあげた。前を歩くカメルス、カウダ、フスが揃ってブケファルスの方に振り向く。
「え、なに?怖いんだけど」
カウダの引き気味の言葉を受けるもブケファルスは上の空で思考を巡らせた。突然のカメルス、カウダ、フスの来訪から、流れで彼らと同居し早2週間。レヴェリテルムに真剣に話しかけていたところを見られたときは若干引かれたが、それ以外は特に問題もなく、今日に至っては四人で街に遊びにまで出ている。そこでブケファルスには思うことがあった。
「…俺…青春してる…」
「ファルが立ち止まっちゃった」
「暑いしとりあえず先行こうぜ」
カメルスとカウダは立ち止まったブケファルスを置いて先へ行ってしまう。フスは暫くおろおろしたが、ブケファルスを引っ張りに行く。
「あの、ファル…」
「あっ!あいつら置いて行きやがった!俺らも行くぞ!」
「ひぇっ!!び、びっくりした…」
突然我に返ったブケファルスの勢いにフスが気圧されていると、不意に前方で轟音が響いた。