そんなこんなで、自分は家に急に来た2人組を自室に上げてしまった。
幸い平日の昼間に親は家にいないので問題はなかったが、正直自分の家に自分の意思で人を上げたのは初めてだったので少し緊張する。
それでも2人はお言葉に甘えて、と言いつつ家に上がり、自室に入っていった。
「…」
床に座って自分と向き合う少女と少年に、自分はどんな言葉をかけるか困り果てる。
とりあえずで家に上げてしまったよく分からない2人組に、自分はどう対応したらいいのだろうか…?
「…この子、かわいいね」
ふと少女が彼女にすり寄ってくる自分の家のネコ、ロヴィンを撫でつつ自分に話しかける。
「名前なんでいうの?」
少女が自分の方を見て尋ねるので、自分は困惑する。
しかし黙っている訳にはいかないので、少しの沈黙ののちこう答えた。
「…ロヴィン」
「へーロヴィンか~」
少女はそう言ってロヴィンを撫で回す。
ひとまず気まずい雰囲気は回避できたという事で、自分は少し安堵した。