「それで、なんで初対面のおれたちを家に上げてくれたの?」
不意に少女の左隣に座る少年が尋ねてきたので、自分はついびくつく。
「それは…やっぱり外は暑いし、ずっと玄関先で人と話し込んでると近所の目が、うん」
自分が頑張って絞り出した言葉に対し、少年はふーんとうなずいた。
「…ねぇ、こっちからも質問なんだけど、なんで自分の家の場所が分かったの?」
初対面だし住んでる場所も全然知らないはずだよね…と自分が聞くと、ロヴィンとじゃれていた少女が、あーそれはねとこちらに目を向ける。
「こういう事」
そう言うや否や、少女はパッと両目を赤紫色に光らせた。
「ボクの異能力、”ネクロマンサー”とこの人の異能力”コマイヌ”でアンタが辿った軌跡を見たんだ」
ねー?と少女が隣に座る少年を左肘で小突くと、少年はまぁなと答えて瞳を黄金色に光らせる。
自分は思わず目をぱちくりさせた。
「まーアンタもボクらと同族なんだからさ、そんなに驚く事もないよ」
少女は目を光らせるのをやめつつ笑う。
少年も異能力を使うのをやめるが、自分は未だにポカンとしていた。