「ちなみにボクはネロ、滋賀 禰蕗(しが ねろ)」
少女が目を光らせるのをやめつつ言うと、隣に座る少年が…で、と続ける。
「おれは生駒 耀平(いこま ようへい)、よろしく~」
耀平と名乗った少年は異能力を使うのをやめて小さく手を振った。
「まーアンタもボクらと同族なんだからさ、そんなに驚く事もないよ」
ネロはそう言いつつ笑うと、耀平はそうだなとうなずく。
自分は相変わらずポカンとしていたが、それに気付いたネロが…あれ?と首を傾げる。
「そんなにびっくりする?」
自分の様子を気にしたネロはそう尋ねた。
自分は、まぁうんと同意する。
「だって他の異能力者と関わる事がなくて…」
ちょっと、慣れないとこぼすと、ネロはそうなの?と聞き返す。
「この街は他の所よりも異能力者が多いんだけどなぁ」
そういう人もいるんだ、とネロは呟いた。
「…もしかして、人が苦手なのか?」
不意に耀平が聞いてきたので、自分はえっ、と固まってしまう。
それを見たネロは、ちょっと耀平~と左肘で彼をぐりぐりする。