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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 サマーエンカウンター ⑱

「黎は十分すごいんだし」
「でも2人は…」
「ボク分かるよ!」
自分の言葉を遮るように、ネロは声を上げる。
「この間、初めて会った日の次の日に、黎の移動した痕跡をコマイヌと追いかけていたんだけどね、その時に黎の記憶をちらっと見たの」
ネロは続けた。
「そしたら黎は、1人で色んな事を頑張ってるんだなって事がよく分かって…」
ネロはそう言いかけて言葉を止める。
どうやら固まっている自分の姿に気付いたらしい。
ネロはふふっと笑った。
「だからあんまり自分を卑下しなくていいよ」
ボクだって、あんまり自慢できるような人間じゃないしとネロは微笑む。
自分はだんだん身体が熱くなるのを感じていた。
「えへへー、黎照れてる~」
「ホントだー」
ネロと耀平は赤くなる自分の姿を覗き込む。
自分は恥ずかしさのあまり手で顔を覆うが、外は暑いのになんだか余計に熱いことには変わりなかった。

〈番外編 サマーエンカウンター おわり〉

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 再来週からは「造物茶会」の新作を投稿予定です
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