0

Specter children:人形遣いと水潜り エピローグ

帰還後、蒼依は丸一日を水潜家での安静に費した。
「まさかもう一日泊めてもらうことになるとは……ごめんね、冰華ちゃん」
「良いの良いの。怪我人放り出せないし」
水潜家玄関で靴を履きながら、蒼依は冰華と最後の会話を交わす。
「ありがとうね。もう大丈夫だから」
「蒼依ちゃん、本当にタフだよねぇ」
「ま、戦い慣れてるから。あのくらいの怪我で鈍ってられないんだよ」
「すごいねぇ」
蒼依は討伐報告のために天邪鬼から剥ぎ取った角の1本を手の中で転がしながら、スニーカーの踵を直した。
「……よし。じゃ、私帰るよ」
「うん、また遊びに来てね?」
「それはどうだろ……ここめっちゃ辺鄙じゃん……」
「うーん否定できない。私から遊びに行っても良いよ? 蒼依ちゃんの地元とか知らないけど」
「まぁ、機会があったらね。それじゃ」
水潜家の玄関を出て、蒼依は一度振り返る。冰華が屋外に一歩出たところから手を振ってた。
「またねー、蒼依ちゃーん! 絶対連絡するからー!」
「うんー。またいつかー」
手を振り返し、蒼依は集落を出る道を歩き出した。

  • Specter children
  • これで本当の本当に終わり
  • 蒼依ちゃんはガチでタフい
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。