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磨羯造物茶会 Act 20

午後の暖かな光が差し込む、とある大学の片隅の一室にて。
一人の老女…歳乃が少し立派そうなイスに座り、書類や荷物の多い机に向き合って書類を眺めている。
…と、彼女の手元にあるスマートフォンが着信を知らせる音を立てた。
歳乃は気だるそうに自身の端末を手に取ると、画面を触って電話に出た。
「もしもし?」
「あっばーさん?」
露夏なんだけど、ピスケスいる⁇と電話の向こうの人物の少年のような声は歳乃に尋ねる。
歳乃は、ばーさんという呼び方はやめなさい、アタシはアンタのおばあちゃんじゃないんだからと呆れたように返す。
露夏は、そんなことはいいから、と歳乃の言葉を遮りつつ本題に入った。
「ピスケスはいないのか?」
その言葉に歳乃は眉をひそめる。
「…ピスケスはいないよ」
「えーそんなー」
今ナハツェーラーがピンチなのに〜と露夏は呟く。
歳乃はなにがあったんだいと聞き返した。

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