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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.オウリュウ ①

今年も冬が来た。
気付けば暦も12月にさしかかり、街路樹の葉も落ちて道行く人々の服装も厚着になってきた。
学校も学期末テストの時期が近付いて学生達は焦り始めるし、今年もあとわずかという事で大人達も心なしか慌ただしい。
この1年も、とうとう終わりが来るのだ。
そんな中、わたし達はのん気に商店街の裏路地を歩いていた。
「もう今年も終わるなー」
「受験も近付いてるなぁ」
いつもの駄菓子屋に向かいながら、耀平と師郎はそう話す。
「そういえば、黎と師郎は受験大丈夫なの?」
ふとわたし達の前を歩くネロが、後ろを振り向きつつ尋ねた。
それに対し師郎はまー大丈夫だよと笑う。
「黎は頭いいし、俺はなんとかなる」
「師郎の方が心配だな」
師郎の言葉に対し耀平がそう言うと、わたし達は思わず明るく笑った。
…と、ここで耀平が駄菓子屋を前に足を止める。

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