そういう訳で、わたし達は皆で霞さんを駅まで送っていく事にした。
寿々谷公園から寿々谷駅までは少し離れているので、わたし達はその道中ずっと話しながら歩いていく。
そんな中でも、黎は何かを気にしているようなそぶりを見せていた。
「へー、耀平くん、中学校では軟式テニス部に入ってるんだ~」
「まー適当にやってるだけだよ」
霞さんと耀平が楽しそうに話し、ネロと師郎はその様子を暖かく見守っている。
しかし黎は何かを気にしているようで、わたしの意識はそちらに向いていた。
一体何を気にしているのだろうとわたしが気にする中、黎が急に足を止める。
「黎?」
わたしがつい立ち止まって尋ねると、黎は後ろを向いてあれ…と呟いた。
「あれ?」
一体な…とわたしが言いかけた時、不意にうふふふふふと高笑いがわたし達の後方から響く。
わたし達がそちらを見ると、そこには白いミニワンピースにツインテール、そして赤黒く輝く瞳を持った少女が立っていた。