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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.オウリュウ ⑭

「ヴァンピレス‼」
何で出てきた⁈とネロが怒号を上げる。
「何でって、わらわは異能力を奪いに参りましたの」
貴方がたの、ね‼と不敵な笑みを浮かべながら、ヴァンピレスはその右手に白い鞭を出してわたし達に向けて振るった。
ネロは咄嗟に目を赤紫色に光らせて右手に黒い鎌を出し、それでヴァンピレスの鞭…具象体を受け止める。
「ネクロ‼」
耀平が思わず声を上げるが、ネクロマンサーは皆逃げろ!と叫ぶ。
「コイツはボクが、ここで食い止める‼」
ネクロマンサーは具象体の黒い鎌を振るって白い鞭を弾いた。
弾かれた白い鞭はヴァンピレスの元へ縮むように戻っていき、持ち主のヴァンピレスは不機嫌そうに顔をしかめる。
「あら、抵抗すると言うのね?」
その言葉にネクロマンサーは、当ったり前だぁ‼と言い返した。
「ボクらの大切な一部を、奪われてたまるかぁ!」
ネクロマンサーはそう声を上げると、ヴァンピレスに向かって駆け出す。
「…よし、今の内に逃げるぞ!」
ネクロマンサーがヴァンピレスを食い止めている姿を見てから、耀平はわたし達4人に声をかけた。
わたし、黎、師郎は静かに頷く。
しかし霞さんは状況が飲み込めていないのか、あ、うん…とぎこちなく返した。
そんな霞さんを見た耀平は、行こう!と彼の手を取って走り出し、わたし達もそのあとに続いた。

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