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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.オウリュウ ⑲

「だ、誰ですの…?」
わらわにペットボトルなんて…とヴァンピレスは顔を上げる。
わたしも彼女が目を向ける方を見ると、紺色のパーカーのフードを目深に被った少年…黎がちょうどモノを投擲するようなポーズで立っていた。
「まさか、貴方…」
ヴァンピレスはふらふらと立ち上がると、黎に向かって具象体の白い鞭を向ける。
黎はかすかに後ずさり、ヴァンピレスは思い切り具象体を振り上げようとした。
しかし、ヴァンピレスの後方から、させるかぁーっ‼という叫び声が聞こえる。
「⁈」
ヴァンピレスが振り向くと、黒い大鎌を振りかざした少女…ネクロマンサーが飛びかかってきていた。
ヴァンピレスはネクロマンサーの具象体を自らの具象体で受け止める。
「あら貴女、わらわの分身はどうしましたの?」
「あんなの倒したよ‼」
「まぁそれはご苦労さま」
ヴァンピレスとネクロマンサーはそう言い合って後ろへ飛び退いた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • そろそろこのエピソードもおしまい
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