そうしてキヲン、露夏、ピスケスは、2人きりで出かけるナツィとかすみを追いかけ始めた。
基本的に人工精霊は魔力を探知する能力があるため、ナツィとかすみに気づかれないように3人は距離をとって2人を追いかけていく。
そして路地裏から大通りに出てしばらく歩くうち、人工精霊たちは駅直結の大きな商業施設にやってきた。
「…それで、なんか欲しい系統の服ってないのか?」
平日とはいえそれなりの人々で賑わう商業施設の中を歩きながら、ナツィはかすみに尋ねる。
ナツィの隣を歩くかすみはうーん、と天井を見上げた。
「別に自分はなんでもいいけど…」
「なんでもとか一番困るんだけど」
かすみの呟きにナツィは呆れる。
「今日はかすみの服を買いにきたんだから、かすみの好きなようにすりゃいいんだよ」
ナツィがそう言うと、かすみはそう言われてもと苦笑いする。
「自分はそういうのの好き嫌いがあんまりないしなぁ」
「それが困るんだよ」
ナツィは立ち止まってため息をつき、かすみに向き直った。