「…」
ギリギリのところでキヲンがナツィとかすみに気づかれることを回避させた露夏は、塞いでいたキヲンの口からそっと手を離す。
解放されたキヲンはぷはーと深呼吸をしつつ、ちょっと露夏ちゃん!と露夏に文句を言い出した。
「急に口塞がないでよー」
「いやだって、ナハツェーラーにバレたら怒られそうだし、第一尾行がバレたら意味ないだろ」
「それはそうだけど…」
キヲンと露夏はそう小声で言い合うが、やがてピスケスがちょっと、と2人を諫める。
「あんまり騒ぐと見つかるわよ」
ピスケスがそう声をかけると、2人はハッとしたように黙り込む。
そしてナツィとかすみの方を再度見やった。
ナツィはかすみの服装について色々と話しており、かすみはなんだか嬉しそうにその話を聞いている。
ナツィは自分たちに気づいていないことを確認したキヲンと露夏は、安心したようにホッと胸を撫で下ろすのだった。