「なんかあった?」
ネロの急な質問に、わたしはえっ、と飛び跳ねた。
「な、何って…」
「いやー、いつもの場所にいなかったからどうしたのかなーって」
ちょっと気になっただけ、とネロは呟く。
わたしは今の悩みが見透かされた訳ではないと分かって内心安堵したが、いつものようにショッピングモールの屋上に行かなかったことを若干不審がられているようで不安になった。
今日、ヴァンピレスがわたしに会いに来るということで、ネロ達に迷惑はかけられないと彼らに会わないよういつもの待ち合わせ場所に行かなかったのだが…やっぱり会ってしまう時は会ってしまうらしい。
地方の街だから仕方がない…そう思いつつ、わたしは何でもないよと作り笑いで返した。
そう?とネロは不思議がったが、すぐに耀平が、そうだネロ、ゲーセン行こうぜ!と声をかける。
「この前ネロが取り損ねたぬいぐるみ、また取りに行こう」
「そうだね!」
耀平の提案に、ネロは明るく答える。
それを聞いて師郎は、じゃー行きますかねと後頭部に両手を回し、その隣で黎はうんうんとうなずいた。
それを見てネロは不意に、あ、アンタも行く?とわたしに尋ねる。
わたしは急な提案に驚きつつも、とっさにそうだねと答えてしまった。
「…じゃ、行くか」
ネロがそう言って歩き出すと、耀平、黎、師郎が彼女に続く。
わたしもそんな彼らに続いた。