わたしがネロ達と合流して、ショッピングモールのゲームセンターへと向かって暫く。
ネロと耀平は先程言っていたぬいぐるみのクレーンゲームの前でコントロールレバーを操作して、中のぬいぐるみを取ろうとしていた。
あーでもない、こーでもないと2人が言い合い、その様子をクレーンゲームの台の横から黎が微笑ましそうに見ている。
そんな光景を、わたしはクレーンゲームのすぐ側にあるメダルゲームの台の近くから眺めていた。
「おー、やってんな~」
ふとそんな声が聞こえてきたので、声のするわたしの右側…ゲームセンターの入口の方を見ると、近くの自販機で買ってきたらしき緑茶のペットボトルを持った師郎が近付いてきていた。
「まだ取れてないのか?」
ぬいぐるみ、と師郎がわたしに尋ねるので、わたしはまぁ、うんとうなずく。
「あれ、結構取りにくいみたい」
「そうかいそうかい」
師郎はそう言いながら緑茶のペットボトルを開け、中身を口にした。
騒がしいゲームセンターの中で少しの間わたし達2人の間に沈黙が下りたが、ふと思い出したように師郎が、なぁと呟いた。