「おれたちは遅くまでほっつき歩くわけにゃいかないからな〜」
露夏はそう言って立ち上がる。
「…じゃ、また明日〜」
そして露夏は椅子から立ったピスケスとともに物置部屋の扉の方へ向かった。
「あ、ボクも〜」
キヲンはそれを見て慌てて立ち上がる。
しかしふと気づいたようにナツィの方を見た。
「…そういえばナツィは?」
帰んないの?とキヲンはテーブルの上のトランプをケースにしまっているナツィに尋ねる。
ナツィはキヲンの方を見ず、少しの沈黙ののちにこう答えた。
「今日は帰らない」
「え?」
キヲンはついポカンとする。
物置部屋から廊下に出ようとしていた露夏やピスケスも立ち止まり振り向いた。
「どうして…」
「どうしてって、別にいいだろ」
ナツィはそっぽを向きつつ返す。
「俺は保護者のところに帰りたくないんだよ」
「えーそんな〜」
キヲンはナツィの傍に駆け寄る。
「ナツィのおじーちゃん寂しがるよ〜」
「別にそんなのどうでもいいし」
「ヒドい〜」
「お前には関係ないから」
キヲンとナツィは暫くそう言い合うが、それを見かねたのか、かすみがきーちゃん、とキヲンの肩に手を置いた。