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鬼の業~序章(壱)

まだ、人間と鬼が共存していたときのお話。
そういって、私は話始めた。

門宮村(かどみやむら)には、1つの家だけ、鬼が暮らしていた。それが鬼柳家(きりゅうけ)。元々、他にも鬼はいたのだが、他の村への移住だとか、子供の減少だとかで、この村では鬼柳家だけとなってしまった。しかし、この村はとても平和で、鬼だろうが人間だろうが関係なく暮らしていた。
この鬼柳家というのは、母・薺(なずな)と長男・朔(さく)、長女・薊(あざみ)の3人。ちなみに、兄妹である。
この日だって、平和に1日が過ぎるはずだったのに____。
その日のある事件によって、3人の家族の歯車は狂っていくのであった。

「ねぇ、母上。」
「どうしたの?」
話を遮ったのは我が子。
「怖いお話?」
私は安心させるように、努めて微笑む。
「いいえ、こわくなんてないわ。……ただ、哀しいだけ。」
戸惑うような顔をする我が子の髪を撫でる。
「でもね、母さんが一番好きなお話。」

  • お久しぶりですε=(*ノ´Д`)ノ
  • ある事情により、前の話は終わらせて頂きます…
  • 今回、かなり長くなりそうです(¨;)笑
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