私がお父さんとお母さんを独占できたのは1歳まででした。一つ年下の弟が産まれてから、私は「お姉ちゃん」になりました。でもその頃からのんびり屋さんで、マイペースで、あんまりお姉ちゃんらしいお姉ちゃんではなかった私はいつの間にかお姉ちゃんと呼ばれなくなりました。弟は歩くのが嫌いで、出掛けたらいつもおんぶにだっこ、本当は私も甘えたかったけれど恥ずかしくて言えませんでした。小さい私なりの強がりでした。気がついたら私は周りから「歩くのが好きな女の子」だと思われるようになっていました。いまだに言われます。「フテネコは昔から歩くのが好きだったよね」って。そのたびにちょっとだけ切なくなります。多分幼少期のトラウマとか自分の気持ちを抑えてしまった経験って、大人になってから表面化してくると思うんです。何かあったときにうまく人を頼ることができなくて自分だけで抱え込んでしまったり。私もまさにこれなんです。困ったときも人に頼る、甘えるという選択肢がまず出てこない。今悔やんでも遅いですが、「もっと主張していいんだよ」ってあの頃の私に伝えたいです。