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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑤

「ぼくは、彼女の兄なんだ」
「…へっ」
わたしはなんの事か分からず変な声を上げる。
彼は気にせず続けた。
「ぼくは、あの子が街で他人の異能力や一般人の記憶を奪って回っているっていうのを前々から知っていて、なんとかできないかって思ってた」
それで時間がある時に妹の動向を追いかけたりしてたんだ、と逢賀さんはテーブルに両肘をつく。
「…で、きみに遭遇したって訳」
「は、はぁ」
わたしは衝撃の事実にポカンとしていた。
あのヴァンピレスにお兄さんがいて、そのお兄さんも異能力者だなんて…
「…あの子は元々病気がちで、昔は病院に入退院を繰り返しているような子だったんだ」
その頃は今と違って、もっと気弱だったんだけどと彼は苦笑する。
「でも両親は仕事が忙しくて彼女になかなか構ってやれなかったし、ぼくも学校に通っていたからあまり彼女と一緒にいられなかった」
だから、なのかなと逢賀さんは不意に窓の外を見やった。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 来週からは「ハブ ア ウィル」とは
  • 別の小説も投稿予定だよ~
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