「だから、ぼくはあの子の兄として、1人の異能力者として、ヴァンピレスを止めたいと思っている」
それでも、ぼく1人の力じゃどうにもならないんだ、と彼はわたしに向き直る。
「…もしかして、ヴァンピレスが他の異能力者の異能力を奪って回っているから?」
わたしがふとそう言うと、彼はそうだねとうなずく。
「彼女が”他者の記憶を奪い取る”能力以外にも、さまざまな異能力を他の異能力者から奪っているのもあるね」
お陰で彼女は寿々谷でもトップレベルに凶悪な異能力者になっているし、と逢賀さんは呟いた。
「…だから、きみがよく一緒にいるネクロマンサー達に、協力を依頼したいと思ってる」
「えっ?」
彼が不意にそう言いだしたので、わたしはついポカンとする。
逢賀さんは驚くのも無理ないよねと苦笑した。
「でも、ぼくは本気で彼女を止めたいと思ってるんだ」
このまま放っておいても、彼女が余計寿々谷で嫌われ者になってしまうからね、と彼はわたしの目を見る。