前線都市内でディソーダーの出現が確認されてから暫く。ヘスぺリデスの商店街では派手な色をした体長数メートルほどのディソーダーが、周囲に大小さまざまなディソーダーを引き連れて暴れまわっていた。ディソーダーは口のような器官から光線を放って街を破壊しつつ、ヘスぺリデスの大通りを進んでいる。基地の避難指示によって街中には人影がなく、ディソーダーが侵攻する地鳴りのような音だけが響いていた。
しかしディソーダーの群れが大通りの交差点にさしかかったとき、群れの横から光の矢や光弾が複数飛んでくる。突然の攻撃に小型のディソーダーは悲鳴を上げてひっくり返り、大型のディソーダーは動きを止めて光の矢や光弾が飛んできた方を見た。
交差点の角の向こう、商店街の建物の屋根の上や道路上には、華やかな容姿にカラフルな衣装を着込んだコドモたち——リニアーワルツが、弓や銃器の形をした武器——ジェミニを構えて立っている。敵の出現に気づいたディソーダーたちは雄叫びのような声を上げて、リニアーワルツたちの立つ方へ方向転換した。
しかしそんなディソーダーの目の前に、商店街の細い横道や建物の陰から刃物や鈍器の形をしたジェミニを持ったリニアーワルツたちが現れる。近接武器を持ったリニアーワルツたちは、群れの前方に固まる甲虫のような姿をしたディソーダーに飛びかかっていった。ディソーダーたちは口から光線を吐いたり攻撃を避けようとしたりしたが、次々とリニアーワルツたちに撃破されていく。そんな中で、青い長髪をバンスクリップでまとめたリニアーワルツ・インテことインテリジェントは、三叉矛型ジェミニ・ポセイドンを振り回して小型のディソーダーたちを串刺しにしていた。
「……それにしても、前線都市内でディソーダーが出るなんて、随分妙な話ですよ」
「ねぇ?」とインテが近くで大剣型ジェミニ・エンキドゥを振り回すリニアーワルツ・パッションことパッショネイトに話しかけると、パッションは「そうだな!」とディソーダーを斬り捨てつつ返す。