「異能力を取り上げるって、まさか…」
「彼女自身の記憶を取り上げる、そういう事だ」
わたしが言い終える前に、逢賀さんはそう言い切る。
わたしは…そんな、と呟かざるを得なかったし、ネロ達も驚いているのか何も喋らなかった。
逢賀さんはそんなわたし達に気付いたのか、仕方ないんだと悲し気に呟く。
「今までに何度も彼女に、他人の記憶をやたらめったら奪うのはやめなさいって言ったのに、彼女は聞く耳を持たなかった」
だからもう、強硬手段に出るしかない、と逢賀さんは自分の手元を見た。
彼の両手は、彼の意志を反映するかのように力強く握られている。
わたし達は彼の言葉に何も言えずにいたが、ふとネロが…そんな事かよとこぼした。
「そんな事でボクの異能力を使いたいっていうのか?」
ボクは嫌なんだけど、とネロは逢賀さんを睨む。
しかし逢賀さんは、そこまで言ってないよとネロに笑いかけた。
「彼女から異能力を奪い取るのは、ぼくの役目だ」
そう言って逢賀さんは両目を鮮紅色に光らせる。