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第一部【FANATICALとADDICTED】p.16

 初めてその傷を目にした際、もちろん職員は戸惑って尋ねた。

「ちょ、ちょっと、この傷何なの? 治ってないし……新しいものではなさそうだけど」
「んえ? あーこれ? 分かんなぁい」
「分かんないってどういうことよ」
「どーもこーも、気づいたときにはあったのよ」
「そんないい加減な……」
「確かに見た目は悪いけど、でもこの傷ね、アディくんとお揃いなの!」

 ファナは嬉々として語った。確かにファナの後に検診したところ、アッドのチョーカーの下にも同じ傷があった。だからといってリニアーワルツ全員が持つものでもない。むしろ他にこのような例は見たことがない。職員はこの事実を知ったとき、酷い悪寒がした。何かしらの彼女らの意思が働いているのかもしれなかった。

 しかし彼女らは兵器としては善戦してくれているわけだから、どうでもいいところである。職員はとりあえずは当り障りのない、検診の一環としての質問に徹する。

「随分深いようだけど、痛くないの?」
「全然。でもここね、触るとくすぐったくてね、だからアディくん寝るとき」
「はいはい無駄話はおしまい。アッドの方行ってくるから大人しく待ってなさいね」
「えー、もっとアディくんとのノロケ話聞いてほしかったのにぃー」
「こらファナ! あんまり職員の人困らせちゃだめだろ」
「はぁーい」

 その際管理部に訊きに行ったことがあったが、管理部すら知らない情報だったので、恐らくは機密情報にあたるのだろう、性能に問題はなさそうなので、それ以上追及することはなかった。

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