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第一部【FANATICALとADDICTED】p.19

「……ファナ、自分に価値ないとか言ってるけど、それこそ俺だって、ファナには必要ない存在ですよ。ファナにはチヤホヤしてくれる奴がたくさんいる。俺なんかよりいい相手がいくらでもいる」
「ファナはアッドから離れたくて出てってるわけじゃない。むしろ逆だって分かってるでしょ?」

 アッドは頭をこくっと前に倒すが、すぐに震えた声で続ける。

「今は冗談めかしてますけど、いつか本当に俺に愛想つかすんじゃねえかって、いつも不安で、余計頭ぐちゃぐちゃになって、冷静になれなくて、で、結局暴力振るって……」

 職員はその独白を聞き、軽く溜息を吐く。

「言うまでもないことだけど、暴力も暴言も絶対に駄目よ。あなた、ちょっと前にファナのことディソーダーのサンプル保管用の冷凍庫にファナを監禁して殺しかけたことあったでしょ」
「……」
「2人の間だけで完結するならいいけど、あなたたちには戦うって役目があるのよ。しかもカナンの主戦力なの。それが1週間2週間と使い物にならないのは本当に困るの。ファナはそういうのに思い至らないかもしれないけど、アッドは賢いんだから、分かるでしょ?」
「……はい」
「あなたの加害癖は治るようなものじゃない。ファナの依存もなくならない。でも離れることもできないの」
「……そう、すよね」
「あなたは賢くて優しい子だから、ファナにとって一番いい選択ができるはずよ」
「優しい奴は女殴りませんけどね」
「性格と性質は別だから。さ、全部終わったから、服を着て、あっちに戻りましょう。あんまりのんびりしてると、あの子が拗ねちゃうから」

  • 彼らが処分されるまでの物語
  • LINkerWorld LINearWaltz
  • これはアッド君を擁護するためのシーンです
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