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Tell us terrible Terrors:のろい、まじない、きりはらい その⑯

【コックリさん】の異聞能力によって張られた結界の中、燿子は少しずつ押され出していた。
「せやっ!」
獣の速度を乗せた、鋭い前蹴りを躱される。カウンターで放たれた愛弥の拳をどうにか腕を盾に受け止め、反動を利用して距離を取る。
「クカッ……お主、能力頼りかと思うたが、案外と空手もイケるクチじゃのう?」
「はッ、こちとら喧嘩慣れしてんのよ。雑魚がケモ耳生えた程度でイキんなよ?」
(ふむ……腹立たしいが事実。燿子の肉体は決して殴り合いに適した体格ではない。妾が速度と感覚を補ったところで、小さく、短く、軽い肉体は如何ともし難い……が!)
「それがどうしたァ!」
再び弾丸のように飛び出し、跳び蹴りを放つ。しかし――
「馬鹿じゃないの? 素手でカウンター取れるってことは……」
回避しながら愛弥の放った斬撃に身を捩るも、宙に置かれた身では行動能力に限界があった。斬撃を躱しきれずに左腕が飛ぶ。
「能力でも同じことができるってことなのよ」
「……クカカッ。面白くなってきよった」
(この損傷……身を裂かれる激痛如き、妾は慣れ腐っておるが、ただの人の身たる燿子には耐えられんじゃろう。悪いが眠っていてもらう他あるまいて……)
傷口を押さえながら、燿子――否、“コックリさん”は呼吸を整える。現在は彼女の手番であり、少なくとも自ら攻めない限り相手からの攻撃を受けることも無い。
(……それにしても『切り札』が『過去』になるのはいつじゃ! 随分と遅いではないか!)
“コックリさん”は愛弥との殴り合いの最中も、常に思考の隅で『再検索』を繰り返していた。求めていた情報が彼女の収集可能な『過去』となる瞬間を待っていたのである。そして、遂にその時が訪れる。
「ッ…………! ク、ククッ、クカカッ……!」
「……あ? 何がおかしいの? 痛みで気でも触れた?」
「クククッ……案ずるな小童よ。貴様を狩る『鬼札』が、最高速度でこの場へ迫っておる。最早この結界も不要じゃろて」
(小僧……! 出来るとは信じとったが……やはり“浄霊”を身に付けて戻ってきおった!)
結界をかき消すと同時、“コックリさん”の隣に一つの――正確には『一つに見えるほど密着した二つの』影が着地した。
「ごめん“コックリさん”! 遅くなった!」
『私メリーさん……今、所有者(あなた)の後ろにいるの!』

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  • 主人公の帰還
  • コックリさん……腕が!
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