0

Tell us terrible Terrors:死にゆくお前に中指を! その⑨

駅前のゲームセンターからほくほく顔で出てきた女性が一人。所謂“地雷系”と呼ばれる出で立ちで、クレーンゲームで勝ち取ったのであろうクマのぬいぐるみのキーホルダーを右手に吊り下げた姿は可愛らしいとさえ評されよう。そんな彼女の前に立ち塞がるのは、彼女の相棒の青年。
「よう、何してんだ?」
「見りゃ分かるでしょ、『ててまるくん』ストラップ取りに来たのよ。200円で3個も取れたんだから。あたし天才」
「……そうか」
「ァによ、別に非番なんだからどこで何しようが勝手でしょ」
「別に悪いとは言ってねえだろよ。ただの世間話だ」
「あっそ」
加奈はキーホルダーの一つを陸斗に投げ渡した。
「1個あげる」
「そりゃどうも」
キーホルダーをポケットにしまう様子を、加奈は無表情で凝視していた。
「……何だよじろじろ見て」
「いや……生きてんなぁ……と」
「そりゃ生きてるだろ」
「…………6回」
「何が?」
「組んだ奴が初仕事で死ななかったの。6回ぶり。まぁあたしのおかげだけど」
「……まあ……そうだな」
「ふん、分かってんならもっと感謝して崇め奉りなさい」
「感謝も尊敬もしてんだからそれ相応の勤務態度を見せてくれよ」
「っせぇなァあたしにゃあたしのやり方があんのよ。ねぇ、あんた何か趣味とかある?」
「何だよいきなり」
「ただの世間話よ。あんたの好みに合わせてやるからちょっと一日付き合いなさい」
「ただの世間話じゃ済まねえじゃねえか。……他人付き合わせられる趣味か……」
「何、他人に言えない趣味とかあんの? この変態」
「無ぇしあったとて言うかバーカ」
二人はつつき合いながら、休日の街へと消えていった。

  • Tell us terrible Terrors
  • エンドです
  • ちょっと仲良くなった?
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。