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Tell us terrible Terrors:あけて その㉑

帰りのハイエース・ワゴンの車内。吉継は窓枠に頬杖を突きながら、遠ざかっていく山々を見つめていた。
「まさか本当に、“八尺様”を倒しちまうとはなぁ。よくやったよ、3人とも」
「いや、頑張ったのは永江くんと秋津さんですよ」
「でも探索の方で活躍したの王蕗先輩じゃないですかぁ」
「……それで? さっきから静かな吉継はどうだったんだ?」
運転手の男に声を掛けられて、吉継は顔を上げる。
「……気付いてすらいなかった因縁に、決着がついたなぁ……と」
「よく分からんが、まぁお疲れ」
「ありがとうございます」
軽く会釈をして、吉継は車窓に目を戻した。
「……そういや、“八尺様”って本当に倒して良いヤツだったの?」
ふと、思い出したように潮が口にした。
「後輩くんのおばあちゃんから聞いた話だと、たしかナントカ権を優先する代わりに村に封印してたんじゃなかったっけ?」
その言葉に答えたのは、運転手の男だった。
「技術の発展した現代じゃ、水利権争いなんて形骸化しちまってるのさ。農家だって減ってきてるしな、わざわざ交換条件を出さなくたって、全員で等分しても十分余るくらいになってんだよ。あの“八尺様”はただの邪魔者になっちまってたワケだ」
「ほーん、それならなおさら罪悪感無いねー。ねー、後輩くん?」
潮に呼びかけられてから、一拍遅れて吉継は振り返る。
「え、なんで俺?」
「後輩くんの故郷の話じゃない」
「いや何とも……俺は農家継ぐ予定無いし……」
「現代っ子だなぁ……」
呟く潮の肩を、王蕗の長い腕が叩いた。
「およ? 王蕗先輩」
「“八尺様”は敵、なんてドライに言ってはいたけどさ……彼も思うところはあったと思うんだ。今は思う存分物思いさせてやろうじゃないの」
「ふーむ、了解です。それじゃ運転手さん、潮とおしゃべりしましょー!」
「運転に集中させてくれよなぁ?」
車内は賑やかなままに、ワゴンは帰路を走り続けた。

  • Tell us terrible Terrors
  • 完結に随分かかったな
  • 少なくとも作中地域ではそうなんだよ
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