「これ、露夏ちゃん宛のものなんだけど」
「なんだこりゃ」
露夏はかすみから差し出された封筒を不思議そうに受け取る。
「なんか家のポストに入ってた」
「へ〜」
かすみの言葉に頷きながら、露夏は“ロカさま”と書かれた封筒を開け、中身を見た。
「…」
露夏は暫しの間無言で手紙を読んでいたが、やがてその口が真一文字に結ばれる。
その様子を見たかすみは、どうしたの?となんの気なしに尋ねた。
「なにかあっ…」
「ごめんかすみ」
かすみが言い終える前に、露夏はそう呟く。
「おれ、ちょっと行くわ」
「えっ…」
そう言ってかすみに背を向ける露夏を見て、かすみはちょ、ちょっと⁈と呼び止めようとした。
しかし露夏はそのまま路地裏へと軽快に走り去っていく。
かすみだけが、その場に取り残された。