午後、緩やかな時間が流れるころ。
路地裏の喫茶店の2階にある物置部屋には、いつものように人工精霊たちがテーブルを囲んでいる。
しかしその中に露夏の姿はなかった。
「かすみ」
テーブルの端の席で頬杖をついているナツィは、不意に目の前の席に座ってぼーっとしているかすみに声をかける。
かすみはハッとしたように顔を上げた。
「ど、どうしたのナツィ」
「それはこっちのセリフだ」
今日はだいぶぼーっとしてないか、かすみ?とナツィはかすみに目を向ける。
かすみは、え、そう…?と首を傾げた。
「そうね」
今日のかすみはだいぶ気が抜けているわ、とかすみから見てテーブルの対角線上に座るピスケスが、紅茶の入ったティーカップを口元に運びながら頷く。
かすみはピスケスまで…と焦った。