「びっくりしたっ…恐かったよ…うっ……。」
「はいはい、もう大丈夫だよ。」
紗那は背伸びをして朔の頭を撫でる。どっちが年上だかわからなくなっている。
そんな様子を、川に足だけ入れ、淵に座って蒼が見ていた。
「朔、こっちこいよ。」
自分の横をぽんぽんしている。どうやら、そこへ座れという意味らしい。
「朔っくん、一緒に行こうね。」
と、二歳も年下の女の子に朔は連れられ、一先ず川辺の方へ移動する。
「紗那、ありがとな。」
くしゃーっと、勢いよく紗那の頭を撫でた。
蒼はそうして、
「ほら、薊と遊んどいで。」
「うんっ!」
にこっと笑った紗那は、川の中へと駆けていった。