「どうしたの?さっきからぼーっとしてたよ」 「ううん、気にしないで」 「ふーん…あのさ、俺でよければ、その、相談、いつでも乗るからね?」 だれも、こんなことに気づいてくれなかった。 伊藤君は、見ていてくれたんだ。 見ていてくれる人がいる。それは、こんなに嬉しいことなんだ。 「ありがとう。」 これが、伊藤君との初めての会話。 初めて喋る女子にも、こんなに優しい伊藤君。 こんな人って、なかなかいない。 どこまでいい人なのだろう。