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鬼ノ業~序章(肆)

「可愛いなー紗那。」
蒼もにこにこしながら言う。その横では未だに朔がしゃくりあげていて。
「朔ー、薊の方が強いんじゃないの?」
ケラケラと笑いながら言う蒼に、朔はごしごしと目をこすりながら、へにゃ、と笑う。
「そうかもしれない。」
「朔、お前男じゃん__」
「でも、」
いつもの翠に深みが出た。
「強いにも色々あるからね。
腕力とかだと、薊の方が強いよ。」
にこっと笑った朔になにかを感じたが、七歳の蒼に、それを知る由もなかった。
「朔って面白いよな。」
きょとんとする朔は一拍置いて、
「蒼には敵わない。」
そう言って笑うのだった。

  • 四話目です。
  • よん、って最初読めませんでした…。
  • お恥ずかしい(笑)
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