星を一つ手に取って 少年は覚悟を決める 全ての記憶を受け止めようと 銀河に向けて瞳孔を開いた 少女にとって少年はもう 包み込むための形をしている 殻を失した少年の息を 溶け合えるほど近くに感じた 透明な森の夜 木々を貫く月の筋 小さな別れがぽつぽつと 闇に光を灯してゆく 私は草原に寝転んで 春の訪れの夢を見る 白い悲しみが宙を舞い 遊んで見えた夜だった