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鬼ノ業~序章(拾)

「いきなさい!」
朔は反射的に走り出した。薊の手をしっかり握って。
しかし、大人がいく手を阻む。
「母様!母様!!」
泣き叫ぶ薊と、後ろで聞こえる怒号。そして__母の悲鳴。
しかし、それは次に、村人の悲鳴へとかわった。
思わず朔が振り返る。目に入ってきたのは、燃え盛る自分の家と、鬼の姿となった母の姿。朔がこの姿を見たのは、これで二度目となってしまった。
母は、その姿でいてもなお、人間に手を出さない。朔までも、なぜと思ってしまうほどに。
しかし、何か印を結んでいる。瞬間、遠目ではあるが、緋い飛沫が舞った。緋の出所は、村人なんかじゃない。それは全て母のものだ。
「母上…母上……」
立ち止まってしまう朔。大人は追いかけてくる。
そこへ、そんな朔と薊の手を引っ張る人物がいた。

  • センター試験お疲れさまでした‼
  • 今週もよろしくお願いします。
  • 頑張ります(*''*)
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