草の茂みに隠れる。
それは__
「あ、蒼!?」
「しっ。静かに。」
泣き止まない薊をぎゅっと抱き締めて、嗚咽が響かないように、そして、安心させるように言う。
「大丈夫。またすぐ逃げるから。」
朔は懸命に堪える。
「蒼、紗那が殺されたって…。」
「本当のことだ。俺が帰ったら殺されてた。玄関の前で。
だけど、俺は朔の母上を疑うつもりはない。」
朔は涙目だ。
「あんなに優しい母上などいない。」
ごしごしとこする。
「僕はこれからどうすればいい。
…それを教えに来てくれたんだろう?」
蒼は笑う。そうだ、と応え、
「このままここで隠れてろ。ただし、物音ひとつ立てるな。
きっと、朔達の叔父上が来てくれる。 」
「叔父上…?」
「朔の母上のお兄様だ。」
「なんでそんなこと知って__」
蒼は、これには不思議そうな顔をした。
「おばさんが…俺に、そう伝えてきたんだ。今日、帰り際に…。」
少々考えるようにしてすぐ戻る。
「でもおばさんがいっていたんだ。俺は朔達を信じている。
…でも、俺はこの村に留まらないきゃいけない。紗那のこともあるから。」
朔は強く頷く。
そこで、少し蒼は笑った。
「でも、いつかきっと会いに行く。探しにいくから、二人のこと。…妹殺した犯人も見つけてやる。」
朔は、蒼のその言葉が嬉しくて、涙が出てきた。
「待ってる。僕も、強くなるから。」
「あぁ!」
追伸:
長かったですね。読みにくくてすみません。ちょっと反省です。
なんていうか、蒼兄イケメンですね(笑)まだ七歳というのが…みえないです。歳、詐欺ってますねきっと。