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妖精と武器

 いまもむかしも男の子社会は身体のでかい奴が身体の小さい奴を筋力でやり込めるのが常。そんな抑圧のなかで育った小さい奴は武器を持つことに肯定的だ。かく言う僕も中学を卒業するくらいまで身体が小さく、身体のでかい奴から、よお、なんて高圧的に肩をたたかれることが多くてくやしい思いをしていた。きっとあのまま大して背も伸びず、芸術に開眼もしていなかったらいまごろ軍国化を支持していたことだろう。
 さて、僕が芸術に開眼したのは高一の冬。ある妖精との出会いがきっかけ。クリスマス目前、青春を謳歌している体育会系のカッポーと同じバスに乗りたくなくて自宅までの長い道のりを徒歩でとぼとぼ歩いていたら道ばたで衰弱してた彼女を見つけてしまったんだ。大きさは僕の顔ぐらい、すらりと長い手足、ショートヘアのよく似合う丸顔の童顔。もちろん背中にはカゲロウの羽。
「助けていただいてありがとうございます」
「大丈夫? だいぶ苦しそうだったけど」
「はい、実は」
「うん」
 次回に続かない。

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