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鬼ノ業~序章(拾弍)

親友二人で交わした約束を、薊にも向ける。
「薊、待ってろよ。紗那とお前の母上の仇、いつか取るから。」
「うんっ…!」
蒼は優しく微笑む。
「薊はもう一人の俺の妹だ。」
もう一度強く抱き締め、朔へと戻す。
「死んでくれるなよ。」
「蒼も。」
頷きあった。二人はそれでよかった。
蒼は、赤々と燃える闇に消えていった。
「…兄様。」
「薊は僕が守るから。」
蒼の言葉と思い出し、泣くのを我慢する薊。’おじさん’が来るまでの時間が、永遠に続くのでは、というほどの長さだった。

  • 短めです。
  • そろそろ序章新章です。
  • …まだ序章ですが(笑)
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