親友二人で交わした約束を、薊にも向ける。 「薊、待ってろよ。紗那とお前の母上の仇、いつか取るから。」 「うんっ…!」 蒼は優しく微笑む。 「薊はもう一人の俺の妹だ。」 もう一度強く抱き締め、朔へと戻す。 「死んでくれるなよ。」 「蒼も。」 頷きあった。二人はそれでよかった。 蒼は、赤々と燃える闇に消えていった。 「…兄様。」 「薊は僕が守るから。」 蒼の言葉と思い出し、泣くのを我慢する薊。’おじさん’が来るまでの時間が、永遠に続くのでは、というほどの長さだった。