授業終えての午睡のせいで、きみは真夜中に目をさます。玄関から外へ足を向けると、湿った空気の匂いがする。薄明るい灰色の鉄柱、つるりと濡れたアスファルト、ゆれてふれあう竹林、そういったもの全部が自分にそぐうようなそうぐわないような、そういったきもちにきみはなる。今日きみがしたことしなかったこと、間違ったこと、手離したもの、この時間にきみは思い出す。ただふかいだけの日々が、ずっときみに続けばいい。出口はないぜ、朝になっても。震えるばかりのちいさなからだで、ずっと歩き続ければいい。ここにはないぜ、きみの灯りは。それでもきみは、朝になれば、それでもきみは、それでもきみは恋をする