おじさんは微笑む。
「答えは今出さなくてもいいんだぞ。」
そう言って、ぐしゃっと頭を撫でた。
「おじさんもなぁ…人間は許せない。だから、薊のことは止めんよ。
だがな、人間にもいいやつはいるんだ。」
朔を見て微笑む。
そうなのだ。だから、朔は目的を聞かれて答えられなかった。人間を殺したいとは思わなかったから。
薊はそっぽを向いた。絶対に赦さないんだから、そう呟いて。
おじさんは苦笑した顔を薊に向けた。
「もう10年は待てよ?お子さまもいいとこだからな。」
頬を膨らませた薊は、初めて打ち解けた顔をした。