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鬼ノ業~序章(拾伍)

「おじ様、早く起きて着替えなさい!」
「もうちょっと…。」
そんなことをいうおじさんの布団を剥ぐ。
「洗・濯!それとも、おじ様が行く?」
「薊殿にお任せいたします…。」
あの日から、13年という月日が経った。おじさんは、すっかり薊に頭が上がらない。朔も、自分で思う。薊には敵わないな、と。
あれから薊は、身のまわりのこと、全て自分でやるようになった。そして、他人のことも。母・薺の代わりをしてくれている。__と云うよりかは、そうすることで、悲しみを埋めているように見えた。
「兄様、先にご飯食べててね。よそってあるから。」
「ありがとう。」
言うと、薊は微笑んで駆けていく。
布団を引き剥がされ、やっと着替えたおじさんが、お膳の前に座る。
「薊のやつ、べっぴんになったなあ。」
朔は笑って返す。

  • 平和ですね。
  • あざみんかわいい。
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