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「もっと上へ」だって

人身事故と誰かの舌打ち 花束と黒いネクタイ。
空を飛ぼうとした子供 羽はなかった 救いはなかった。
未来、或いは過去の僕が 先を争って逃げ出していく世界。 
かつて僕たちは歯車を作った。 精密に 精確に。
誰かいなくても困らないように 誰もいなくても困らないように。
そうして出来上がった仕組みの中で 居場所が無いって泣いてばかりいる。
大丈夫。君が地面に叩きつけられた衝撃で 世界は止まりはしないって。
ニュースキャスターが人類は醜いと繰り返し伝えている。
そんなの鏡を見た瞬間から知っていたさ。
下らないと呟く僕も下らないね。 逃げ出したいな。
朝焼け 青空 彼方に神様の山。 夕焼け 星空 届かない月。
屋上で僕は 空ばかり見ていた。

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