0

無題

鎖された山頂の花園
赤と緑の屋根に抱かれ
私達は確かに安寧の中に居た

幾ら拒んでみたって
本当はもう知っているの

門を飛び出た途端に するりと
私達の夢は解けた 解けてしまった

絡めあった指先の温もりも
凭れた先に香る花の香りも
擦り寄せた頰の柔らかさも

もう私の手中にありはしない
そんなことは百も承知なの

だけれど

あんな狐に貴女が血を流すくらいなら
そんなケダモノ捻り殺して
奪い去ってしまいたいって 胸が疼くの

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。