鎖された山頂の花園 赤と緑の屋根に抱かれ 私達は確かに安寧の中に居た 幾ら拒んでみたって 本当はもう知っているの 門を飛び出た途端に するりと 私達の夢は解けた 解けてしまった 絡めあった指先の温もりも 凭れた先に香る花の香りも 擦り寄せた頰の柔らかさも もう私の手中にありはしない そんなことは百も承知なの だけれど あんな狐に貴女が血を流すくらいなら そんなケダモノ捻り殺して 奪い去ってしまいたいって 胸が疼くの