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ファヴァー魔法図書館 #69

『アガルタの風』

「ガラシャ、やっと着いたよ。
ここが『旧都市カフカ』だよ。」
「何だか名前の通り不気味な程に黒の都市ねぇ。」

そこはA.L.Nの東端、古代都市の名残が今も残っている場所である。
身近にある場所だが未だ謎の多い場所である。
名前の通り都市全体が黒色で統一されており、そこはかとない雰囲気を醸し出している。

「ユリ、ユリ位の大魔法使いなら謎くらい解けるんじゃないの?」
「ちょっと難しいかな......私の専門は創造魔法だから分析魔法は専門外なのよ。」
「そう、なら仕方ないわねぇ。」

風は無機質へと質感を変え有機物の森へと流れていく。永久とも思われた繁栄も分裂の前には微塵にも砕け散ってしまったのだ。

「何だか儚いわ、儚くて仕方が無いわ。」
「多分それはね、ガラシャ。君が少しだけ大人になってしまったからだよ。」
「そう、なら仕方ないわね。あれから何年経ったっけ?5年くらい?」
「何だかんだ7年経っているようだよ、君も大きくなったよ。」

気持ちが変わってしまったのは、少しお空に近づいたから。
全てがおわってしまったのも、少しお空に近づいたから。

P.S.今回は少し長めになってしまいましたね。
少しまとめる努力が必要なのかも知れません。

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