5

鬼ノ業~序章(弐拾伍)

「__明るい。」
「…兄様、変な匂いしてない?」
焦げ臭い。
薊の顔色が一瞬で変わった。
「まさか__‼」
そう言って、先にいってしまう。
朔も後を追い掛けるが、自分の予想にならないことを祈るばかりだ。
そして、朔は呆然とする。薊の顔には血の気が無い。
「こんなこと__」
家は、あの日の自分達の家のように燃え盛っていた。
「どうして…。」
呟き薊は火へと飛び込んだ。
「おじ様!」
朔も迷わず中へ入った。入らない選択肢なんて無かった。
おじさんは居間に居た。腹部には包丁が刺さっていて、血が流れている。薊は抱きかかえ、外に出ようとする。ぴくりと動いたところから、まだ息はある。
「兄様、道を!」
道を作るよう努め、二人が出たのを確認し、最後に朔は出る。その時、倒れてきた木材に触れてしまう。痛みに耐え、すぐ近くの、それでも火は届かない木の下へ避けた。

  • 感想とかあったら、是非レスをいただきたいです。
  • アドバイスも大歓迎!
  • 頑張りますo(`^´*)
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。