薊はおじさんを下ろし、声をかける。決して揺らすような真似はしない。
「おじ様!おじ様!おじ様ってば‼」
朔は疑問しか出てこない。
何故おじさんを刺し、その後に尚放火したのか。
何故おじさんに狙われたのか。
一体何処の誰が?どんな理由で?
そもそも人ひとり通らない此の場所に、どうやって来たのだろうか。
おじさんが少しだけ反応する。
「おじ様‼」
「あざ、み…さく、も……。」
「おじ様!誰にやられたの!?ねえ!答えて!!」
おじさんは微笑む。
「お前、達が…無、事で…いて、くれて、よかった…。」
薊は首を振る。
「違うっ…!私が聞きたいのは、そう言うことじゃない!
誰にやられたの、おじ様!?」
おじさんは、こんな時まで笑った。
「そん、な、に…狂気に、駆ら、れるな…。
美、人が…もった、いないぞ…。」
薊の眼の色がだんだん濃くなっている気がするのは、気がするだけなのだろうか。
「…人間なの…?」
呟くように聞く。
「人間なのね…?
__やっぱり人間。…許せない。」
おじさんは哀しそうにする。
「誰も…そうは言ってない…。」
「じゃあ誰なの!?」
冷静さに欠いている。
朔はある事実を悟った。それは、おじさん本人が一番よく分かることなのだろうが__。
「薊、最期くらい笑ってくれよ。」
追伸:
時間の経過が遅いですね。ほんの数分の出来事です、これ。
序章も終盤となってきました。残り、駆け抜けます(笑)序章からこんな感じで大丈夫なのでしょうか…?
いつも読んでいただいている方々、レスを下さる方々には本当に感謝です。とても励みになっています。頑張りますo(`^´*)‼