「はぁ...はぁ...はぁ...」
「どう?思い出した?」
「天津様...なぜここに...?」
「私には色々とあるの。まぁ何かの縁だし、貴方の説明をするわ」
「私の...説明...?」
「あなたは、血鏡館で流行り病に掛かった、そして命を落とした...その後にあなたにとっての幸運が訪れた...1つは転生せずに、この世界に飛ばされたこと、そして、向こうの記憶を失ったこと...」
「じゃあ...私は...」
「まだ、記憶が整理出来てないのね...そうよ、貴方はこの世界で生まれた存在じゃない、そして1度、死を経験している...それはこの世界の法則に基づいて...」
天津神禍が軽く指を踊らせる
咲夜の掌にオルフェノクの紋章が浮かび上がる
「何...これ...」
「まぁ無理も無いわね...貴方の2度目の生は今の時点で、幸せなものだった?3度目があるかは運次第だけどね...あ、それと」
天津神禍は少しテンポを落とした
「陵くんを戦いには巻き込まないことね」
「戦い...?」
「サクの最初の遺品...アッシュウルフロックシードを、彼が持ってる...あと、戦国ドライバーもね」
「ロックシード...確か...」
「そう、この世界じゃあ...ゲートゲームとか呼ばれてたっけ?それに使われたりするものよ」
「何で、あの子がそんなものを?」
「サクはオルフェノクから陵くんを庇って命を落とした...まぁいわば正当防衛ね...まぁ、そういうことだからよろしく」
天津神禍は夜になる直前の夕焼けに向かって羽ばたいた...