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きいろいし #3の弍

『3日目弍』

「貴方の事は知っているよ。佐奈伎大学の准教授さんだね。あそこは唯一妖怪学科があるからね。」
みゆりは直感的に不味いと思ってしまった。
妖怪学は傍から見ればオカルトを否定する学問である。なので神職や宗教関係の人達とは相性が悪いのだ。
風麿はそれを見透かしたように言った。
「少し体を動かしましょうか。なぁに、少し山に登るだけです。」

みゆり達の住む佐奈伎の土地にはある山と湖がある。
【森屋山】と【佐奈伎湖】である。
みゆり達は森矢山へ登った。
標高1600m程度の山は【佐奈伎大社】の御神体である。

九合目程度まで車で行き、そこから1時間程度掛けて山を登った。
頂上では佐奈伎の土地が一望出来る。
その状態で風麿は話始めた。
「みゆりさん、知っていますか。
この土地は、神話の時代にはこの山頂まで水があった様です。
しかしそれでは人が困るという事で、龍があの谷がある場所にあった山を崩して水を流出させたと言う話があります。」
風麿は地面にしゃがみ話を続けた。
「貴方は私の事を少し警戒している。
しかしそんなに警戒せんでもいいのですよ。
私は貴方方を敵だなんて思ってはいません、ある種同類の人間だと思っています。
最近ね、この付近の土からあの湖の魚の祖先と思われる淡水魚の化石が見つかったんです。
深海の魚なら良くある話ですが淡水魚です。
どうでしょう、満更嘘にも思えないでしょう?」

P.S.用語補足です。
【佐奈伎大社】4つのお社から成り立っています。
佐奈伎湖を挟んで森屋山側に二社、反対側に二社あります。
森屋山側の二社は【本宮】【前宮】
反対側の二社は【春宮 】【秋宮】と呼ばれています。
【佐奈伎湖】佐奈伎地方に古くからある湖です。
佐奈伎の海と呼ばれ湖畔では工業が発達しています。
用語補足も終わったので。
風麿さん喋りすぎですね笑
#3はあと1個分続きます。

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