翌日、朔は倉庫の中の物を取りだし、使えそうなものを探していた。昨夜は寝つけず、諦めて星を眺めていた。紅い炎が邪魔で、星の輝きは見えなんだが、ただただなにも考えたくなかった朔。
驚いたことに、涙が出てこない。残るのは喪失感のみ。心に穴が開いたようで物寂しいのだが、涙が出てこないというのはどういう事だろうか。
そして、どう云う訳か、未だに小火が燻っている。近づくには危険だから眺めるだけなのだが、それが、おじさんの想いな気がしてならなかった。
朔は倉庫で、一本の矛を見つけた。手にした瞬間、朔は理解した。これは自分の物だ、と。
そして、ようやく決心がついた。薊を止めるという決心が。
朔は追いかけるべく立ち上がる__一瞬だった。
「__首、取った。」