夏休み最後の部活。ようやくすべての物事が動き出した感じ。うまく文化祭が成功しそうだな、なんて思ってた時、ふと気づいてしまった。
今回が、最後の文化祭だ。
僕の高校は、基本的に3年生は文化祭の活動に参加しない。クラス展示が3年生だけ無いのが、それを物語っている。僕も、6月に先輩から部長を引き継いでいた。来年のことはわからない。もしかすると、文化祭まで残るかもしれない。それでも、実質的な運営は後輩たちに任せて、僕はそっと見守る立場になるのだろう。
もう、これで最後なんだ。
右も左もわかんなくて、必死になって活動した夏休みの活動。顧問が忙しくて学校に来れなくて、代わりの先生にに何度も頭を下げたこと。必死で文字を打ち込んで、台本を作ったこと。嫌なことだってあった。辛いことだってあった。でも、最後だと分かった時、切なくなった。そして気づいた。楽しかったんだ、って。部活中じゃなければ、多分泣いてた。文化祭が終わるまで泣かないって決めてたけど、それでも、泣きたくなった。
残り少ない準備期間。文化祭のことは、今しか教えられない。だけど、僕は仲間のために、何を教えられるのだろう?何を教えるべきなのだろう?何を残せるのだろう?
何を、残せばいいのだろう?
でも一つだけわかっていることがある。今はできることをするだけ、ということ。